広島ブランド委員会


「広島エリアにおける観光資源を活用した中山間地域の活性化に資する取り組みについて」


広島県の県土の約70%を占める中山間地域は、豊かな自然環境に恵まれた中国山地や瀬戸内海を背景に、四季を通じて楽しめるアクティビティや歴史を感じさせる街並み、個性豊かで多様な文化など、多岐にわたる資産を有している。

一方で、都市部に先駆けて人口減少・少子高齢化が進行するなど、経済基盤の維持・強化が差し迫った課題となっており、将来にわたって持続可能な中山間地域を実現するためには、地域外から稼ぐ力を強化することが必要不可欠である。観光面においては、世界的な新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、当面は国内需要を中心に、中山間地域ならではの資産を活用した進行を図ることが重要である。

また、コロナ禍を契機に、人々の生活がいわゆる「新常態」に変化していく中で、観光客のニーズも、密を避けて安心して楽しめる観光地や旅行形態を求める変化が見られる。具体的には、個人・家族旅行など顧客の小グループ化、マイカー・レンタカーなど移動手段の変化、野外アクティビティ需要の増加、ワーケーションやブレジャー等の仕事と余暇を組み合わせた滞在型旅行の増加などのニーズが高まっている。

つまり、これらの社会環境やニーズの変化は、広島エリアの中山間地域のような山・川・海等の自然資源に恵まれるエリアにとって、新たな観光客を呼び込む大きなチャンスであるといえ、これらの変化にいかに適応していくかが成否の鍵を握っている。

そこで、「広島ブランド」の確立による観光振興に取り組む当委員会では、広島経済同友会の活動スローガン「広島経済同友会活動の新常態への適応とさらなる成長をめざして」のもと、広島エリアにおける観光資源およびコロナ禍に伴う観光マーケットやニーズの変化について調査し、中山間地域の活性化に資する諸方策について検討・提言を行う。