第114回西日本経済同友会会員合同懇談会 in 広島

西日本の18経済同友会が集う「第114回西日本経済同友会会員合同懇談会」が、10月28日~29日、「『輝け!わが都市(まち)、わが故郷(ふるさと)』~“まちづくり・ものづくり・ひとづくり”で、地方創生~」をテーマに、リーガロイヤルホテル広島において開催された。

広島での開催は平成11年以来17年ぶりで、広島経済同友会からは森信秀樹・池田晃治両代表幹事をはじめ300人が参加。

他の17地区経済同友会からの参加者331名を加え総勢631名が集う合同懇談会となった。

「第1部懇談会」は、パフォーマー「ポム」さんが「広島の復興とその礎となった経済界。そして未来へ」をテーマにしたサンドアートパフォーマンスを披露し幕を開けた。

パネルディスカッション
森信代表幹事

開会にあたり、広島経済同友会を代表して森信代表幹事が挨拶に立ち、鳥取地震の被害を受けられた鳥取経済同友会にお見舞いを述べると共に、今年の広島については「G7外相会合の開催、アメリカのオバマ大統領の歴史的な訪問、そして広島カープのセ・リーグ優勝と、まさに“広島イヤー”であった」と近況を報告した。

続いて60周年を迎えた広島経済同友会の活動のあらましを紹介し、本日の合同懇談会については「それぞれの地域が持つ課題を一緒になって考えていきたいと思い、基調講演には片山善博慶応大学教授をお招きした。その後のパネルディスカッションでは、“都市圏を抱えながら島しょ部や中山間地もかかえている”といった課題を解決していくために、広島経済同友会の取り組みを発表しながら、ディスカッションをすすめていきたい」と思いを述べた。

片山教授

基調講演では、慶應義塾大学法学部教授で元総務大臣の片山善博氏が登壇し、「真の『地方創生』には何が必要か」というテーマで講演を行った。

「地方の人口減少が明らかになる中で、地方をいかに活性化させるかということから始まった地方創生。プレミアム商品券やふるさと納税などの施策も実施されているが目立った成果は見えていない」とし、「国に頼るのではなく、自分たちで考え判断していくことが、地方創生の原点である」。

そのためには「自分たちの弱点や強みをしっかり把握しなければならない。地域経済が活力を失う原因には、下請け経済の構造やお金が外に出ていく流れがあり、この流れを止めなければならない」と強調した。

そして、「地産地消への取り組みや地域の雇用の確保など、地域のためになることを皆が少しづつでも考えていくことが『真の地方創生』に繋がる。また、東京一極集中と言われて久しいが、これに立ち向かうには地方は自分のところだけ考えるのではなく、圏域あるいは全体としてバランスをとりながら考えなければならないし、それを考える中枢機能を持つ組織が必要である」とまとめた。

パネルディスカッション(2人)

その後のパネルディスカッションには、広島経済同友会から広島地域活性化委員会の角倉博志委員長、人口回復委員会の髙木廣治委員長、そして広島経済同友会と連携協定を締結している広島修道大学の山川肖美副学長兼ひろしま未来協創センター長がパネリストとして登壇。

基調講演の片山教授がアドバイザーとして参加し、森信代表幹事がファシリテーターをつとめた。

パネルディスカッション(3人)

角倉委員長は、これまで調査してきた広島県の中山間地域の実態を報告するとともに、活発な活動を続けている島根県邑南町への視察や連携している広島修道大学の学生や行政との意見交換の中で浮き彫りにされた課題等を報告した。

髙木委員長は、これまでが取り組んできた「定住対策、若者流出対策、結婚・子育て支援対策」について報告するとともに、首都圏から広島県内への転職希望者を橋渡しする県との就職マッチング事業や同友会独自の企業案内事業、さらには長期インターンシップへの取り組みなどについて説明した。

山川副学長は、郷土社会の発展を支援する広島修道大学の取り組みや、ひろみらプロジェクト(COC事業)の取り組み、さらには広島経済同友会との連携と協創について報告。

特色ある地域イノベーションコースの学生たちの様子を映像で紹介した。

フロアー

続いて、フロアーから広島経済同友会ひとづくり委員会の川妻利絵委員長が、女性キャリアアップセミナー、企業見学バスツアー、新入社員パワーアップ研修への取り組みを報告。

都市機能委員会の田村興造委員長が、広島都市圏の活性化について提言した「国際交流平和都市新生“ひろしま”を目指して」について説明。

呉支部呉の歴史再発見委員会の武田保介委員長が、将来を担う子供たちに郷土愛を育んでほしいと願い制作した「マンガでみる呉の歴史」の紹介をおこなった。

こうした広島経済同友会の広島創生への取り組みに対し、アドバイザーの片山教授は都度説明や補足をしながらディスカッションは進み、最後に会場から鳥取経済同友会の米原正明代表幹事から感想が述べられ、パネルディスカッションを終了した。

懇談会プログラムの最後として、次回開催地の滋賀経済同友会の北幸二代表幹事が登壇し第115回の滋賀大会をアピール。

一般社団法人関西経済同友会の蔭山秀一代表幹事が閉会の挨拶をして「第1部懇談会」は閉幕した。

懇親会開会挨拶

「第2部懇親パーティー」は、東広島次郎丸太鼓の皆さんによる勇壮な太鼓演奏が演じられ華やかに幕を開けた。

広島経済同友会の池田代表幹事が開会挨拶に立ち、湯﨑英彦広島県知事、松井一實広島市長をはじめ西日本経済同友会の多くの会員に参加いただいたことに感謝の意を述べると共に、「懇親パーティーには広島県内の各支部が自信をもってお勧めするお好み焼や、文化振興委員会が発掘した歴史や伝統はあるもののあまり知られていない広島の郷土料理7品に加え、同友会会員企業の6蔵元の銘酒も取り揃えているのでぜひご堪能いただきたい」と呼びかけた。

鏡開き

湯﨑広島県知事による歓迎挨拶の後、県知事をはじめ松井広島市長、そして基調講演の片山教授と西日本地区18経済同友会の代表幹事を合わせて22名が、広島経済同友会の赤のハッピを纏い登壇。

18経済同友会の発展と更なる交流拡大を祈念して、司会者の「せーの」という掛け声に合わせて、「よいしょー」と元気よく木槌をおろして鏡開きをおこなった。

続いて松井広島市長の乾杯の音頭で懇親パーティーは幕を開けた。

合間には「ウッドベースジャズLIVE」などもおこなわれ、美味しいお酒と広島の誇る味に舌鼓を打ちながら会員同士の交流を深めた。

最後に来年は滋賀県で再開することを誓いあい、広島経済同友会の香川基吉交流部会長の閉会挨拶をもって「第2部懇親パーティー」は終わりを告げた。